ガストロノミーウォーキングとは
ガストロノミーウォーキングは、歩くツーリズムに「食」を組み合わせた新しいスタイルです。地域ごとの気候風土で育まれた食材や伝統料理を、ウォーキングルートの途中で味わいながら巡ることで、心も体も満たされる体験を提供します。
目次
主な特徴
- その土地ならではの食文化を五感で楽しむ
- ガイド付きやセルフガイド型のウォークで気軽に参加
- 歩行距離は10~20km程度が多く、健康促進にも最適
- 季節やテーマ(温泉、海辺、史跡など)に合わせたコース設定
実施例とスケジュール
開催地 | イベント名称 | 開催日 | 参加費 | 含まれるもの |
---|---|---|---|---|
栃木県那須塩原市 | ONSEN ガストロノミーウォーキング in 那須塩原 2025 | 令和7年(2025年)11月29日(土) | 4,500円 | ガストロノミー(地元食・飲料)、温泉チケット、傷害保険、ガイドマップなど |
和歌山県那智勝浦町 | 第4回 ONSEN ガストロノミーウォーキング in 那智勝浦 | 2025年11月8日(土) | 要問い合わせ | 地元料理試食、観光ガイド、温泉入浴券など(詳細は公式サイト参照) |
以下は2025年に各地で実施されるガストロノミーウォーキングの具体的な例です。
- 第8回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 湯梨浜町・はわい温泉東郷温泉(鳥取県)
2025年9月20日(土)開催。地元の海産物を使った料理と温泉浴を組み合わせた約12kmのコース。参加者には温泉チケットや地元飲料が含まれます。 - 第6回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 西川町(三山電車の歴史をめぐる路線旅)(山形県)
2025年9月27日(土)開催。三山電車の廃線跡を歩きながら、沿線の郷土料理や地酒を楽しむ約15kmのコースです。 - 第2回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 信州上田(長野県)
2025年10月5日(日)開催。高原の足湯ポイントや地元蕎麦の試食などを組み込んだ約10kmのウォークイベントです。 - 第8回 ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 会津若松(福島県)
2025年8月13日(水)~10月11日(土)開催。城下町の歴史的街並みを散策しつつ、会津清酒や会津産食材を使った料理を堪能する約4.8kmのショートコースが人気です。 - ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 那須塩原(栃木県)
2025年開催予定(詳細日程は調整中)。田園風景を眺めながら、地元野菜のアレンジ料理や農産物試食を楽しむコースが企画されています。
参加方法と準備ポイント
- 事前予約
- 各自治体や専用サイトで申込フォームに必要事項を入力
- 早めの申し込みで割引や特典が受けられる場合あり
- 持ち物・服装
- 動きやすい靴(トレッキングシューズやウォーキングシューズ)
- 飲み物、水分補給用のボトル
- 雨具や帽子、着替え用のレイヤードウェア
- 当日の流れ
- スタート地点で受付・ガイド説明
- コース上のポイントごとに食ポイント(地元料理や飲み物)を堪能
- ゴール後は温泉や地元施設で疲れを癒やす
期待できる効果
- 地域の食文化や歴史への理解が深まる
- 通常のウォーキングより満足度が高く、継続しやすい
- 歩行による健康増進効果に加え、食でエネルギー補給&リラックス
さらに知っておきたいこと
- 地元の特産品を購入できるマルシェや直売所と組み合わせると、土産選びも充実します。
- スマホアプリでスタンプラリー形式にして楽しめる企画も増加中。
- グループで参加すると、地元ガイドによる料理レシピや食材の背景ストーリーを学べるメリットがあります。
ガストロノミーウォーキングの歴史
古代から食と旅は切っても切れない関係にあり、人類は狩猟採集や交易、巡礼の道中で土地の食を楽しんできました。
19世紀:概念の誕生
- 「ガストロノミー」という言葉はギリシア語の gastèr (腹)と nomia (法)を合わせたもので、1801年にフランスの詩人ベルシューが自作の詩中で初めて用い、1835年にはアカデミー・フランセーズの辞典に収録されたとされます。
- 1921~1928年にかけて、食と旅をテーマにフランス各地を巡りながら地域料理を紹介したキュルノンスキーやマルセル・ルフらが、後の“ガストロノミー巡礼”の原型となる著作『La France gastronomique』を発表しました。
20世紀後半:フードツーリズムの台頭
- 1960年代以降、食文化を学術的に扱う動きが活発化し、1980年代には観光地での食体験の質向上が国際会議などで論じられるようになりました。
- 1986年にイタリアで始まったスローフード運動(Slow Food)は、地域の伝統食材や生産者との交流を重視し「食を通じた旅」の概念を一般に広めました。
21世紀:ウォーキングとの融合
- 2005年頃から欧米メディアで「フードツーリズム」という言葉が取り上げられ、旅行中に現地料理を楽しむツアーが注目を集め始めました。
- 日本では2010年代以降、温泉地や棚田、史跡などを歩きながら地元料理を味わう「ガストロノミーウォーキング」イベントが各地で開催されるようになり、食べ歩きと健康増進を両立するスタイルとして定着しました。
現在と今後
- 地域食材の仕入れ先を訪ねるフィールドワーク要素や、生産者との交流をセットにしたガイド付きコースが増加中です。
- スマホアプリでのスタンプラリー化や、宿泊パッケージとの連携によって参加ハードルが下がり、より多様な層に浸透しています。
- 今後はサステナビリティやSDGs視点の導入、バーチャル体験の実装など、新たな展開が期待されます。